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時計 2023/6/26 アップデート 2023/11/13

ZEBの実現に向けて、活用したい3つの補助金制度

この記事の監修

リバスタ編集部

「つくる」の現場から未来を創造する、をコンセプトに、
建設業界に関わる皆さまの役に立つ、脱炭素情報や現場で起こるCO2対策の情報、業界の取り組み事例など、様々なテーマを発信します。

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ZEBの実現を検討しているものの、設備導入などの初期費用が懸念事項となっている事業者もいるのではないでしょうか。また、補助金や助成金などの活用を検討している場合もあると思います。当記事ではZEBの実現に活用できる補助金の制度について詳しく紹介します。ぜひ参考にしてください。

ZEB実現に活用できる、3つの補助金制度

それぞれの補助金制度は、補助対象となる建築物の種類や補助対象設備などが異なるため、建築物の種類や導入設備などによって補助金制度の選択が必要です。

新築建築物のZEB化支援事業への補助金

「新築建築物のZEB化支援事業」は、新築する建築物のZEB実現に寄与する設備等の導入を支援する制度です。

【支援事業概要】

事業内容 ①レジリエンス強化型の新築建築物ZEB化実証事業

② 新築建築物のZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業

対象者
  • 地方公共団体(延床面積制限なし)
  • 民間団体(延床面積10,000㎡未満)
対象設備 ZEB実現に寄与する設備
「空調」「換気」「給湯」「BEMS装置」
補助金額上限 5億円 ※延床面積2,000㎡未満は3億円

【補助率と補助対象範囲】

延べ面積 ①レジリエンス強化型の新築建築物ZEB化実証事業の補助率 ②新築建築物のZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業の補助率
2,000m2未満 『ZEB』2/3

Nearly ZEB 3/5

ZEB Ready 1/2

『ZEB』3/5
Nearly ZEB 1/2
ZEB Ready 補助対象外
2,000m2~ 10,000m2 『ZEB』 3/5
Nearly ZEB 1/2
ZEB Ready 1/3
10,000m2以上
※地方公共団体のみ対象
『ZEB』 3/5
Nearly ZEB 1/2
ZEB Ready 1/3
ZEB Oriented 1/3

出典:環境省「建築物等の脱炭素化・レジリエンス強化促進事業

対象となる設備で挙げられている「BEMS装置」とは、ビルエネルギー管理システムのことです。BEMS装置は、ビルで使用しているエネルギーの見える化や使用状況にあわせて設備の稼働制御などを行います。

なお、ZEBの補助金は、建築物が目指すZEBの種類に応じて補助金の補助率などが変わります。そのため、ZEBの補助金を利用する場合は、ZEBの種類の把握が必要です。

ZEBについて詳しく知りたい人は、「ZEBとは? 知らないと乗り遅れるZEBの基礎知識」を確認してみてください。

既存建築物のZEB化支援事業への補助金

「既存建築物のZEB化支援事業」は、既存の建築物がZEB実現に寄与する設備等を導入する場合に活用できる制度です。

【補助制度の概要】

事業内容 ①レジリエンス強化型の既存建築物ZEB化実証事業

② 既存建築物のZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業

対象者
  • 地方公共団体(延床面積制限なし)
  • 民間団体(延床面積10,000㎡未満)
対象設備 ZEB実現に寄与する設備
「空調」「換気」「給湯」「BEMS装置」
補助金額上限  5億円
補助率 2/3

参照:環境省「既存建築物のZEB化支援事業

「レジリエンス強化型の既存建築物ZEB化実証事業」は、災害発生時に活動拠点となる業務用の施設が停電時なども電力供給が可能になる取り組みを支援する事業です。また、「既存建築物のZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業」は既築のZEBに資するシステム・設備機器等の導入を支援する事業です。

なお、いずれもZEBの種類によって補助対象が変わります。とくに民間団体の場合は制限があるため、補助金の活用を検討している場合には事前に検討しているZEBの種類と建築物の延床面積を確認してみてください。

住宅・建築物需給一体型等省エネルギー投資促進事業への補助金

住宅・建築物需給一体型等省エネルギー投資促進事業は、安定的で適切なエネルギー需給構造の構築を目的に経済産業省が補助を行う制度です。新築と既存の建築物どちらも対象に含まれます。

【経済産業省補助事業の概要】

事業内容 ネット・ゼロ・エネルギー・ビル実証事業
対象者 新築民間建築物:延べ面積 10,000㎡以上
既存民間建築物:延べ面積 2,000㎡以上
対象設備 設計費・設備費・工事費
補助上限額 5億円/年 ・10億円/事業
補助率 2/3

参照:一般社団法人 環境共創イニシアチブ「令和5年度経済産業省によるZEB実証事業について

補助対象になる経費は、ZEB実現のための「設計費」「設備費」「工事費」です。設備費として認められる具体的な設備には、断熱材や高性能窓、空調設備やBEMSなどがあります。

補助事業へ申請する場合、ZEBリーディング・オーナーへの登録が必須です。ZEBリーディング・オーナーとは、ZEB導入計画やZEBの導入実績を一般に公表することでZEBの普及率を上げることを目的とした制度です。

ZEBリーディング・オーナーについて詳しく知りたい場合は、環境省「ZEBの事例を知りたい!」を確認してみてください。

ZEBの実現に補助金を活用した事例

ZEB化に補助金を活用した事例を紹介します。

【補助金活用の事例】

施設名 松野町新庁舎及び防災拠点施設 介護老人保健施設 グリーンピア
社会福祉法人 清幸会
概要 松野町産の杉材を活用した木構造やヒノキ材を活用した内装木質化を図った。また、一次エネルギー消費量削減率81%(BEI値0.19)を達成した。「BELS星5」の認証取得。 Low-E複層ガラスを使用した内窓による断熱を図った。また、電気式高効率空調、全照明のLED化及び人感・照度センサーの導入によって省エネ化を実現。
分類 ZEB Ready|新築 ZEB Ready|既存
導入した技術 高効率空調機器+高性能室外機全熱交換器クール(ヒート)ピットLED照明Low-e複層ガラス、床吹き出し空調設備太陽光発電(80kW)+蓄電池 など LOW-E複層ガラス、高効率EHP、LED照明(人感センサー、昼光センサー)、高効率ヒートポンプ式給湯器(業務用エコキュート)+太陽熱利用システム(集熱パネル)、高効率トランス、BEMS
総工費 総工費:15億3,300万円
(外構・既存建物撤去を除く新庁舎及び防災拠点施設の工事費11億2,300万円)
実質負担額:10億2,100万円
1億2,300万円分は補助金を活用
3億8,900万円分は起債制度を活用(地方交付税措置額)
総工費:3億5,986万円
実質負担金:1億3,453万円
2億2,533万円は補助金を活用

参照:環境省「ZEB PORTAL 「松野町新庁舎及び防災拠点施設」

「松野町新庁舎及び防災拠点施設」は、庁舎のZEB化新築において補助金を活用した事例です。コスト管理や補助事業活用のノウハウがあるZEBプランナーに相談しながらZEB化を進め、総工費15億3,300万円のうち1億2,300万円分は補助金を活用しました。

また、「介護老人保健施設 グリーンピア」は、既存建物のZEB化を成功させた事例です。総工費3億5,986万円のうち2億2,533万円は補助金を活用することで初期費用を抑え、さらにZEB化によるランニングコスト減を叶えることができました。

ZEBの補助金にはBELS評価も関係する

ZEB実現に利用できる補助金制度は、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)の取得が必要になる場合があります。

BELSは、設計時点での建築物の省エネルギー性能を第三者認証が評価する制度です。BELSは、性能の評価をZEBと同じBEI(Building Energy Index)という指標で評価しており、BEIの値によって星の数で5段階の評価が行われます。

たとえば、「ZEB実証事業」の補助金交付の要件には、補助事業完了までに対象となる建築物の省エネルギー性能についてBELS等の省エネルギー性能表示の取得があります。補助金交付の前提となるZEBの取得にはBELSの5つ星が必要です。

脱炭素化を支援する補助事業もある

ZEB化を補助する制度以外にも、再生エネルギーに関する設備の導入や脱炭素化に向けた先進的な取り組みを支援する補助事業もあります。CO2排出量を減らす取り組みや再生エネルギーの活用を支援するものです。

参照:環境省「令和5年度予算(案)及び 令和4年度補正予算 脱炭素化事業一覧

たとえば、「民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業」は、自家消費型の太陽光発電設備や蓄電池の導入に対する補助金制度です。蓄電池の導入による経済的な実現や、再生エネルギーの導入および価格低減の促進などを目的としています。

また、「地域脱炭素の推進のための交付金」は民間との共同による地域の脱炭素化を促進することを目的とした制度です。少なくとも100か所の地域における再生エネルギー導入や住宅の省エネ性能の向上などの重点対策として支援します。

なお、脱炭素化や再エネルギー設備の導入を補助する制度は、各都道府県や地方自治体でも公募されている場合があります。太陽光発電や電気自動車などの導入を検討している事業者は、管轄の都道府県が募集している制度も確認してみてください。

まとめ

ZEBの実現に活用できる補助金は複数の種類があります。補助金は、新築だけでなく既存の建築物を対象としたものや、ZEB実現にかかる「設計費」「設備費」「工事費」を対象としたものがあります。一般社団法人 環境共創イニシアチブ「ZEBリーディング・オーナー一覧」では、補助金を活用した新築や既存の建築物またはZEB化予定の建築物の事例が検索できます。建物の用途や地域ごとにも検索が可能なため、ZEBを目指す建築物の使用や設備を参考にしたい場合は検索してみてください。

なお、補助金制度は公募内容が変更になる可能性があります。ZEB実現に向けて補助金の利用を検討している事業者は、申請前に最新の公募要領を確認してみましょう。

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