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【建設業界向け】建設業界で排出割合の大きなScope3カテゴリの算出範囲と算出方法ガイド

この記事の監修

リバスタ編集部

「つくる」の現場から未来を創造する、をコンセプトに、
建設業界に関わる皆さまの役に立つ、脱炭素情報や現場で起こるCO2対策の情報、業界の取り組み事例など、様々なテーマを発信します。

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Scope3はサプライチェーンの大部分が対象となっており、建設業界でのCO2排出量の大部分は、このScope3に属しています。また、Scope3は15のカテゴリに分かれており、どこまでの範囲をどのようにして算出するか、算出範囲と算出方法の決定が難しいです。今回は建設業界におけるScope3の算出範囲と算出方法を分かりやすく解説いたします。

Scope3とは?

GHGプロトコルにより温室効果ガス排出の報告を通して排出削減を目指す、世界的なシステムが整いつつあります。このGHGプロトコルではScience Based Targets(SBT)によりパリ協定が求める温室効果ガスの削減水準と整合した目標を企業などの団体に設定させ、Scope3においては地球の平均気温上昇が2℃を十分に下回る水準の削減目標を設定することを要求しています。平均気温の上昇が2℃を十分に下回る水準にするための温室効果削減割合は、基準年から毎年2.5%~4.2%を削減し続けなければならないとされています。

さらに、GHGプロトコルではサプライチェーン排出量を報告するように求めており、自社のみではなく自社とサプライチェーンを通して繋がっている企業からの排出量も合わせて報告しなければなりません。このScope3は15のカテゴリに分かれており、それぞれのカテゴリの排出量を算出するために算出範囲を定め、算出方法を決定する必要があります。

建設業界でのScope3

建設業に多い排出カテゴリ

(画像出典:環境省「SBT等の達成に向けた GHG排出削減計画策定ガイドブック」)

建設業界で排出量の多いカテゴリはカテゴリ1の購入した製品・サービス、カテゴリ5の事業から出る廃棄物の輸送、処理、そしてカテゴリ11の販売した製品の使⽤、カテゴリ12の販売した製品の廃棄と処理になります。

カテゴリ1は建設資材が含まれており、建設業だとアスファルトやセメント、生コンクリート、砕石、鉄筋、ガラス、アルミサッシなどが使用されていますが、これらの資材が対象となるので膨大な量を占めています。
カテゴリ5は、事業から出る廃棄物で具体的には、廃棄物の自社以外での輸送や処理の過程で発生するCO2などです。
カテゴリ12は、製造・販売している製品や容器包装の廃棄と処理に伴う排出量です。

また、これらの資材を用いて建築物を建てた時、解体した時にそれぞれ排出される廃棄物の処理が必要になりますので、これら廃棄物処理のカテゴリからの排出も多くなります。

建築物が完成した後に使用する時にもCO2は排出されますが、この排出はカテゴリ11に算入されます。従って、建設業界ではこのカテゴリ11の排出も多くなっています。

Scope3の計算手順

(画像出典:環境省「サプライチェーン排出量の算定と削減に向けて」(P46))

Scope3の計算を行う際には、まずは算定目標を設定する必要があります。算定目標が無いとどこまで計算して良いか分からずに算定範囲が曖昧になってしまいますが、算定目標を設定することで算定範囲が具体的に定まり、排出量の精度が決まります。

次に算定対象範囲を確認します。算定対象が明確になることで自社のサプライチェーン規模も把握できますので、計算範囲が明確になり精度も上がります。

算定対象範囲が確認できますと、それぞれの活動がどのカテゴリに属しているか分類が可能になりますので、それぞれの活動を1から15のカテゴリに分類します。また、それぞれの排出原単位や適切な計算方法も合わせて確認しておきます。排出原単位は外部のデータベースや取引先から入手します。算出方法ですが、Scope3には大きく二つあります。

① 自社が購入・取得した製品やサービスを資源採取段階から製造段階までサプライヤーごとに排出量を整理して計算し、計算結果を積み上げることでその製品やサービスが排出した排出量を算出します。この場合はサプライヤーごとの排出原単位と活動量を把握しなければならないので手間がかかりますが、計算結果の精度は高いです。

② 自社が購入・取得した製品やサービスの物量・金額データに製品やサービスごとの資源採取段階から製造段階までの排出原単位をかけて算出します。例えば、ガラス板に関しては100万円につき3tに相当するCO2を排出したという排出原単位があるとします。この場合、ガラス100万円分を購入すると3tのCO2を排出したとみなせます。一方で、この算出方法は市場価格の変化などを考慮していないので精度は低くなる可能性が高いです。

ここまで準備ができると実際に各カテゴリの排出量の計算を行います。専用ソフトやエクセルなどを使ってデータ収集項目を整理し、活動量のデータを収集します。基本的な計算式は以下のとおりです。

排出量=活動量や重さ、金額×対応する排出原単位

この計算をScope1、Scope2、Scope3全てで行い、排出量の合計がサプライチェーン排出量になります。

カテゴリ1:建設資材をどこまで集計?

Scope3における建設資材の算出範囲ですが、資材の材料の資源の採掘から製品製造、さらに廃棄までとなっています。

建設業界で使用する建設資材は多種多様ですので、それら一つ一つの排出量を採掘から製造までに係る全てのサプライヤーから排出量のデータ提供を受けると共に、輸送の際に消費した燃料量から排出量を計算します。さらに、製品が役割を終え、廃棄されるまでの排出量も算出する必要があります。

一方で、全てのサプライヤーが排出量を算出しているわけではありません。このような排出量が把握できないケースでは金額や重さの排出係数を使用して算出することもできます。

廃棄の際の排出量の算出で気を付ける点は、廃棄物のリサイクルです。リサイクルすると廃棄時に必要な排出量が無くなり、新規に製造した際の排出量よりもリサイクルする際の排出量の方が少なくなるため、全体として排出量が抑えられます。このリサイクルに関する排出量の原単位もあり、この数値を使用してリサイクルした際の排出量を算出できます。建物建設の一般的なサプライチェーン排出量の計算はざっくりと以下の式になります。

建物建設の排出量
=採掘+∑各輸送工程+∑各加工製造工程+建物建設+廃棄

  • ∑(シグマ)は全ての工程を足し合わせると言う意味です。

排出量の計算はエクセルでも行えますが、エクセルだとカテゴリの分類や原単位の入力を手作業で行わなければなりません。このため、多大な労力が必要になってしまう上に、手作業によるミスも多くなります。この計算を自動で行ってくれる「Scope3算定ツール」がLCA活用推進コンソーシアムから提供されていますので、このようなツールを活用しながら計算するとより効率的になります。

カテゴリ5および12:産廃では品目ごとに集計

産業廃棄物にはガラスや廃油、金属など多くの種類が含まれます。これらの廃棄物の廃棄の際の排出量はまとめて計算するのではなく、品目ごとに計算されます。それぞれの廃棄物品目に対して廃棄時の排出原単位が設定されていますので、この原単位を使用して排出量を計算します。特に、ガラスや金属など価値の高い材料に関してはリサイクルが行われます。このリサイクルを計算に入れた場合、廃棄とリサイクルによる排出量の計算は以下の式で行うことができます。

    廃棄処理の排出量
         =∑ 廃棄物の種類×それぞれの原単位
         +∑ リサイクル品の種類×それぞれの原単位

この計算に加えて廃棄の際の輸送による排出も算出する必要がありますが、この輸送時の排出量の計算を自動で行ってくれるのが電子マニフェストサービス「e-reverse.com」による「産廃CO2サービス」です。産廃CO2サービスを使用することで産廃時の排出量の計算が容易になります。

産廃CO2サービスの詳細はこちら

カテゴリ11:建設業において販売した製品の使用

建設業において販売する製品とは、建物などの建築物になります。つまり、サプライチェーン排出では、建設してお客様に販売した建築物をお客様が使用する際の排出もカウントしなければなりません。この販売した製品の使用による排出はカテゴリ11でカウントされ、建物の使用による年間のCO2排出量は販売した建物の床面積や金額等から算出することが出来ます。

また、以下の記事に各カテゴリの計算を分かりやすくまとめましたので、特定のカテゴリの計算方法に疑問がある方はこちらをご覧ください。

二酸化炭素排出量の計算方法を解説

まとめ

建設業界は建設資材を大量に使用して建築物を建設するので、建設業界のサプライチェーンにおいて最もCO2排出量が多いのは建設資材の資源採掘、製造です。この排出はScope3のカテゴリ1に属しているので、カテゴリ1の排出量の削減をどうするかに大きな注目が集まっています。

リバスタは、建設業界のCO2算出や改善サービスに取り組んでいます。ぜひお気軽にご相談ください。

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出典まとめ:

環境省「SBT等の達成に向けた GHG排出削減計画策定ガイドブック

環境省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン (ver.2.5) 」(Ⅱ-8,Ⅱ-10)

環境省「サプライチェーン排出量の算定と削減に向けて」(P46)

LCA活用推進コンソーシアム「Scope3算定ツールの提供

CO2排出量の自動算定で業務効率を大幅に改善!産廃CO2サービスとは | CO2メディア (rvsta.co.jp)

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