ニュース

時計 2023/11/6 アップデート 2024/6/26

工事成績評定の加点ポイントを調査!北海道・東北地方の最新動向は?

この記事の監修

リバスタ編集部

「つくる」の現場から未来を創造する、をコンセプトに、
建設業界に関わる皆さまの役に立つ、脱炭素情報や現場で起こるCO2対策の情報、業界の取り組み事例など、様々なテーマを発信します。

「つくる」の現場から未来を創造する、をコンセプトに、
建設業界に関わる皆さまの役に立つ、脱炭素情報や現場で起こるCO2対策の情報、業界の取り組み事例など、様々なテーマを発信します。

北海道や東北地方では、従来の工事成績評価の指標として、工事完了時期の遅延日数や工事費用の適正などが用いられています。

しかし、近年では脱炭素社会の実現に向けた取り組みや、環境に配慮した工事が求められるようになってきています。
そこで、北海道や東北地方においても、脱炭素の取り組みが評価ポイントとして加点されるようになってきています

本記事では、北海道や東北地方での工事成績評定における脱炭素の取り組みについて、加点されるポイントをまとめました。

工事成績評定とは

工事成績評定とは、公共工事において、発注者である国や地方自治体が、建設業者の実績や能力を評価する制度です。
具体的には、建設業者が過去に実施した工事の品質や工期、安全性などを評価し、その結果を基に入札時の評価や契約時の条件設定などに利用されます。

また、近年では脱炭素への取り組みが評価ポイントとなっており、環境への配慮が求められるようになっています。

脱炭素の取り組みが評価されるポイント

脱炭素の取り組みが工事成績評定のポイントになることは、建設業界においては近年一般的な評価ポイントのひとつです。
脱炭素への取り組みが評価されるポイントとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • CO2排出量の削減
  •  SBT認定の取得
  • 低炭素材料やICT施工の導入

これらのポイントを踏まえた上で、工事成績評定において脱炭素の取り組みが評価ポイントとなり、建設業界における環境保全意識の向上や、より持続可能な社会の実現につながることが期待されています。

CO2排出量の削減

CO2排出量の削減が工事成績評定のポイントになることは、近年では一般的になりつつあります。
これは、社会全体での脱炭素化が求められる中、建設業界においてもCO2排出量の削減が重要な課題となっているためです。

具体的には、建設現場における省エネルギーや再生可能エネルギーの活用、排出量の計測・報告・削減策の実施などが評価ポイントとなります。
また、建設資材のリサイクルや廃棄物の適正処理なども、環境に配慮した取り組みとして評価されます。

工事成績評定においてCO2排出量の削減が評価ポイントとなることで、建設業界における環境保全意識の向上や、より持続可能な社会の実現につながることが期待されています。

SBT認定の取得

SBTとは、「Science Based Targets」の略であり、企業が温室効果ガスにおいて5年先、10年先の削減目標を設定する取り組みのことです。

SBTは、パリ協定で定められた長期的な目標を水準とした整合性と、サプライチェーン全体のCO2排出量が求められます。

SBT認定の取得は、工事成績評定のポイントになるほか、持続可能な企業として投資家や顧客に対してアピールできるのも魅力の一つです。

低炭素材料やICT施工の導入

国土交通省発注の公共工事において、低炭素コンクリート等の低炭素材料の導入や、建設機械の電動化によるICT施工の導入促進が図られています。

国土交通省は低炭素材料の開発や実装において、通常の積算で工事発注し、新技術を現場で試行・実施する際に発生する追加の研究開発費用は、経済産業省等の技術開発予算によって支弁することとなっています。

実際に、高炉スラグ微粉末を用いた低炭素型コンクリートブロックを活用するモデル工事が実施されており、今後の本格導入が期待されているところです。

(画像出典:国土交通省「脱炭素化に向けた取組」)

北海道の脱炭素に向けた取り組み

北海道では、2022年度より「北海道インフラゼロカーボン試行工事」に取り組んでいます。

施工者が工事の着手前にCO2の削減策を記載した計画書を提出し、その実施内容に応じて、工事完了後に成績評定の「社会性」の項目で加点を受けるという仕組みです。

低燃費型の建設機械の使用や、現場内に設置したソーラーパネルによる電力の活用などが評価対象となっています。

(画像出典:国土交通省 北海道開発局「北海道インフラゼロカーボン試行工事」)

東北地方の脱炭素に向けた取り組み

東北地方整備局は、建設現場で脱炭素関連の対応を強化するため、総合評価方式を採用した入札契約手続きで評価項目に「カーボンニュートラル」の取り組みを加えており、技術提案評価型S型の工事案件が対象となっています。

東北地方の各県の取り組みとして、青森県では、道路照明・トンネル照明のLED化、ICT施工の導入、橋梁桁下に太陽光パネルを設置するなどの取り組みを行っています。

岩手県では「岩手県再生資源利用認定製品認定制度」を導入し、特記仕様書において、認定製品及び溶融スラグ入りプレキャストコンクリート製品の優先利用を定め、工事成績評定において加点しています。

また、優良県営建設工事表彰の選考にあたり、環境省が推奨するカーボン・オフセット制度の活用など、環境に配慮した取り組みに対する評価を行い、表彰された企業は総合評価落札方式で加点評価されます。

まとめ

今回の記事は、北海道・東北地方における工事成績評価において、脱炭素が評価のポイントになる点について解説し、北海道および東北地方の取り組みについてご紹介してきました。

脱炭素が工事成績評価のポイントになる理由は、地球温暖化や気候変動の問題が深刻化しているからです。
脱炭素は、二酸化炭素やその他の温室効果ガスの排出を減らすことを指し、これによって地球温暖化を抑制することができます。

企業や国家が脱炭素に取り組むことで、環境への負荷を軽減し、持続可能な社会の実現につながると考えられています。
また、脱炭素に取り組むことで、新たなビジネスチャンスや技術革新の促進など、経済的なメリットも期待されているのです。

この記事では、北海道・東北地方の最新動向をご紹介しました。以下の記事では地域ごとに工事成績評価のポイントを解説しています。

東京都編はこちら:「脱炭素の取り組みが評価ポイントに!東京都の工事成績評定の加点まとめ
九州編はこちら:「脱炭素の取り組みが評価ポイントに!九州の工事成績評定の加点まとめ
東海地方編はこちら:「工事成績評定の加点ポイントを調査!東海地方の最新動向は? 」

建設業界では、入札段階や工事成績評点で施工時や竣工後の建築物においてCO₂排出量の削減が評価され、加点につながる動きが生じています。

また、建設会社からCO₂排出量を開示し削減方針を示さないと、発注者であるディベロッパーから施工者として選ばれにくくなる状況も起きており、建設会社にとってCO₂排出量の管理・削減は喫緊の課題です。

リバスタでは、建設業界のCO₂対策の支援を行っております。新しいクラウドサービス「TansoMiru」(タンソミル)は、建設業界に特化したCO₂排出量の算出・現場単位の可視化が可能です。 ぜひこの機会にサービス内容をご確認ください。

お問合せはこちら

出典まとめ:
環境省「SBT(Science Based Targets)について
国土交通省「脱炭素化に向けた取組
北海道開発局「北海道インフラゼロカーボン試行工事
国土交通省「インフラDX・CN取組の推進について
岩手県「岩手県再生資源利用認定製品認定制度について

本ウェブサイトを利用される方は、必ず下記に規定する免責事項をご確認ください。

本サイトご利用の場合には、本免責事項に同意されたものとみなさせていただきます。当社は、当サイトに情報を掲載するにあたり、その内容につき細心の注意を払っておりますが、情報の内容が正確であるかどうか、最新のものであるかどうか、安全なものであるか等について保証をするものではなく、何らの責任を負うものではありません。

また、当サイト並びに当サイトからのリンク等で移動したサイトのご利用により、万一、ご利用者様に何らかの不都合や損害が発生したとしても、当社は何らの責任を負うものではありません。

お問合せ